今回はモクレン科のハーブ「コウボク」の伝統的な使いみちと科学的評価について解説します。
コウボクの生態
Magnolia officinalis
中国西部及び中央部原産の落葉樹。現在では温帯地域の庭木として広く定植されている。
春になると光沢のある緑色の葉が展開し、芳香のあるピンクがかったクリーム色をした花を咲かせる。モクレン属Magnoliaには数多くの品種が存在します。
コウボクの伝統利用
利用部位:樹皮
伝統中医学で用いられ、樹皮には体を温める作用とリラックス効果があると言われている。
消化を助けるためにも服用され、胃痛や下痢、嘔吐、または喘息の治療薬でもあった。
(花は胃腸の強壮剤に用いられていた。)
北アメリカの先住民はコウボクの近縁種であるキモクレンM.acuminataやアンブレラツリーM.triprerata、ヒメタイサンボクM.virginianaなどを用いていた。
コウボクの科学的評価
樹皮を調整した生薬製剤と樹皮から単離抽出される化合物が不安を和らげるとして研究が進められている。予備研究では期待される結果がいくつか示唆されていますがさらなる研究が必要。
樹皮に含まれる成分は抗癌作用の可能性とアルツハイマー病に応用できそうな効果についても研究されてます。
範囲は抗炎症性の化合物とアレルギー性化合物を開発するために薬剤資源としても価値がある。
コウボクまとめ
伝統医療中医学では体を暖める作用がある。
最近の研究ではアルツハイマーや癌に対しても効果がある可能性が出てきたため注目されている。