Kaempferia galanga
生態
東南アジアが原産のバンウコン属。根茎を利用する香りの良い多年草植物約70種が、アフリカや東南アジアを原産としている。
葉の大きさは直径8~15cm程度。ほとんど丸く、唇弁に紫色の文様が入った艶やかな花を咲かせる。
今回取り上げるKaempferia galanga ケンペリア ガランガはインドから中国に分布し、熱帯ではグラウンドカバーとして利用される。
寒い地域では保護して栽培される。さらに栽培時には高い湿度も必要。そのため温暖地のラン周りや温室の棚の下といった温かい場所だとうまく育つ。
Kaempferia galanga
利用法
結論から言うと、原産地で利用方法が変わります。
◆アフリカ・アジア
香辛料←分かる
◆ニューギニア
幻覚剤←マジ?
◆マレーシア
矢に塗る毒←oh・・・
余談ですが中性ヨーロッパでは料理用のゲランゲイルとしても利用されていました。これはスイートゲランゲイル(Cyperus longus)
K.rotunda、K.pandurata。どちらも原産国では香料や香味野菜として使われている。
実用
米料理の色付けの際、ターメリックの代わりになる。根茎と若い芽は野菜として食べることができる他、ピクルスにしてもよい。
根茎の粉末はリネン製品の匂い袋に入れられる。
薬用
苦味のある収斂性のハーブ。樟脳に似た香りが特徴で消化機能促進、抗細菌、利尿作用がある。
具体的な対応症は
・気管支炎
・消化不良
・頭痛
に内服できる。
外用では
・傷
・ふけ症
・リューマチ性関節炎
などにも利用が可能。
インドネシアでは頭痛や関節のこわばり、泌尿器系疾患の治療薬awasempasというものに配合される。
その材料は
◇Alpinia galanga ガランガル
◇Culcuma longa ターメリック
◇Zingiber ショウガ
全部ショウガ科で固められていますね。
栽培&収穫
日陰の肥沃で湿った高湿度の環境を好みます。繁殖の際は春の終わりに株分けすることで増やせる。
休眠期のバンウコン類は乾燥した場所で保管する。
根茎は休眠期に掘り上げ、生のものを野菜として利用するほか乾燥させたものを煎じ薬、湿布薬、粉末に。