今回は青紫色の果実をつけるアケビを生薬の視点でご紹介。
目次
Akebia アケビ
生態
常緑、あるいは落葉性のつる植物。5種が存在し中国、韓国、日本に分布。
数種は可愛らしい切れ込みのある浅い葉や、小さい香りのある花を鑑賞する園芸品種として栽培されている。
食用になる見た目はユニークで、温暖な地域の数株一緒に生育することで結実する。属名は日本名のアケビから。
品種
Akebia trifolita
三枚の葉っぱをつける。若いときはブロンズ色で3弁の花がつく。
3つずつなるソーセージに似た淡い色をした果実は13cmになり、白い果肉に黒い種子が詰まっている。
アケビの使いみち
大まかな薬効
辛さと苦味が合わさったハーブ。効能としては細菌、真菌感染抑制、循環器系、泌尿器系、女性器系の刺激など。
塩化カリウムを豊富に含むため、強力な利尿作用がある。
具体的な薬効
◇無月経
◇尿路感染
◇リューマチ性の関節炎
生薬としてのアケビ
アケビ特有に含まれるのは「アケボシド」と呼ばれるアグリコンで、利尿、通経、消炎作用がある。
ほかにもトリテルペンのヘデラゲニン、オレアノール酸、カリウム塩などを含む。
具体的な作用は
・ストレスによる胃潰瘍の防止
・抗炎症
・胃液分泌抑制
茎を乾燥させたものは木通(もくつう)とよばれ、豚の膝関節と一緒に煮込んだものは乳汁分泌を促進する。
漢方では利尿、通経のために用いられ
・尿路感染
・消炎性利尿
などの症状に処方される。
例)・五淋散
・竜胆瀉肝湯
栽培方法
日向の水はけの良い土壌を好む。繁殖するには秋に種を蒔くか、夏に半熟枝差しをすることで増やすことが可能。
アケビ属は手を加えられるのを嫌うのでなるべく触らいのがベスト。