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ディル 概要
セリ科の一年草で、羽のように広がる葉が特徴。フェンネルにそっくりだが、香りは異なり、酸味のある草の香りがする。
ディルはスカンジナビア語のdillaに由来すると言われ、“鎮める”という意味が。
その鎮静作用と消化を助ける作用から、薬用植物として古くから利用されてきた。
ディルの歴史
中世ヨーロッパの時代、魔女から身を守るハーブ、または媚薬として、尊ばれた。
17世紀から18世紀にかけて、イギリスや北アメリカではMeeting house seedと呼ばれた。
これは教会の、長い説教の間、空腹を紛らわせるために噛んでいたことに由来する。
日本に来たのは江戸時代の頃で、ヨーロッパから渡来した。
ディルの効能
全草に鎮静作用があり、ティーとして飲むと、胃腸の不快感や、腸内ガスを軽減されると言われる。お腹壊す前に飲みたかった・・・
スカンジナビア料理には欠かせず、花の付いた枝をスパイスや野菜と供にお酢に漬け込んで、ピクルスに。
ディルの産地と製法
主な産地は
・スペイン
・ドイツ
・ハンガリー
・イギリス
・中国
・日本
・北アメリカ
などで、精油は大きく2種類に分かれる。
一つはディルハーブオイルと呼ばれ、全草を水蒸気蒸留したもので、0.3~1.5%の収油率が得られる。
特に開花直前のものを刈り取ったものから、高品質のものが採れる。
もう一つはディルシードオイルと呼ばれ、2.5-4%の収油率がある。
ディルの香気成分
ディルハーブの香気成分は以下の通り。
・benzofuranoid
・phellandrene
・apiol
・terpine
・myristcin など。
成長過程で、成分含有量が変わることでも知られ、品種や栽培地の気候でも大きく異なる。
また感想によって、香気成分は著しく損なわれることも覚えておこう。
ディルシードの香気成分は
・dill apol
・d-carvone
・limonene
・eugenol など。
香料の用途
ディルウィードオイルは、アメリカでピクルスのフレーバーとして使われる。
またウィード、シードオイルともに石鹸香料、化粧水、芳香性健胃剤として利用される。