Part441~Part453

ハーブ解説 Part453 セネガ

今回はセネガと呼ばれるヒメハギ科のハーブについて解説します。ここで主に取り上げるのはPolygala senegaという品種。

概要

この大きな属は500種の一年草、多年草、低木からなり、ほぼ全世界で見られる。マメ科の花をつける品種は園芸用に栽培されている。

ガラガラヘビの症状と
ジョン・テナント医師

北米先住民であるセネカ族はこの植物を、ガラガラヘビの咬み傷に利用していた。

薬効が科学的に証明されて現在の用途を発見したのが、スコットランドの医師『ジョン・テナント』で、1735年のこと。

彼はガラガラヘビによる毒が胸膜炎や肺炎の末期症状と近しいことから、呼吸器系の疾患に効果があるのではと臨床実験を行い、成功させた。

そして1740年にはこの植物がヨーロッパに持ち込まれて栽培されるようになった。

人類史に登場した時期と
そのほかの品種

最古の記録では漢時代の初期に記された中国の漢方書で、2つの種類が存在(P.senega、P.tenuiforia)し、どちらも同じような成分を含んでいるが、ヨーロッパと中国では用途が異なっている。

ほかにもヨーロッパ原産のP.vurgaris、苦みの強いP.amarellaも使用される。

どちらも伝統的に乳汁分泌を促進させるといわれてるが、この植物にはそんな効果はない。

ポリガラセネガ
基本情報

学名:Polygala senega
英名:Seneca,snakeroot,lattelsnake root
利用部位:根

多年生で耐寒性-5度までには耐えられる。高さと広がりは約45cmで、約5cmの細長い槍状の葉を持つ。

小さな白い花が夏に総状花序につける。北米の山岳地帯ほぼ全域に見られる。

苦く、あくがあるハーブで加温性、去痰、唾液分泌、発刊促進作用などがある。

薬効

・気管支炎
・カタル
・喘息
・クルップ
に内服。

外用薬として咽頭炎、蛇の咬み傷に有効。

ポリガラ・テヌイフォリア
基本情報

学名:Polygola tenuifolia
英名:Siberian milk wort
利用部位:根

多年生で耐寒性-15度。高さと広がりは25cm程度。細い茎と約3cmの小さな葉が特徴。薄い紫色から青の花が腋から咲き、約5cmの鞘ができる。

シリア、モンゴル、中国の石が多い草原に多く生息している。

苦辛い加温性のハーブで、血圧降下、去痰、抗細菌、鎮静作用に加えて、心臓と腎臓の強壮効果が期待できる。

薬用

・痰の多い咳、
・気管支炎
・不眠
・動機
・記憶力減退
・不安
・うつ
・緊張

などに内服。

外用薬では
・はれもの
・カルブンケル

に有効。

 

ABOUT ME
Kemu
毎日ハーブのあれこれについて更新しています。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です