今回解説するのはシダの仲間である「エゾデンダ」で、その中のPolypodium vulgareという品種について。
目次
エゾデンダ
生態
学名:Polypodium vulgare
英名:Polypody
属:エゾデンダ属
科:ウラボシ科
落葉性、常緑性、半常緑性の陸生、着生、岩性の約75種のシダが属している。温帯北部に分布し、多肉質の匍匐する地下茎を持つ。
主に
・北米
・ヨーロッパ
・東アジア
などで見られるPolypodium vulgareは数多くの園芸品種が存在し、葉の茂る美しさから装飾用に用いられている。
また日の光が当たらない湿った地にグラウンドカバーとして用いると見栄えが良い。
学名の由来
属名は、ギリシャ語のpolys[多くの]とpous[足]が語源で、よく分岐する地下茎に由来する。
外観の特徴
・常緑、匍匐性で着生のものもあり、地下茎の太さは約1cm
・若い株は赤茶色の鱗片に厚く覆われている。
・葉には切れ込みがあり、20-40の披針形の羽状に分かれている。
各種利用法
利用部位:根茎
概要
非常に甘く、わずかにアクがある加温性のハーブで、
・去痰
・利尿
・胆汁分泌増加
・治癒促進
・消化管・肝臓機能改善
・腸内寄生虫の駆除
・抗リウマチ
・変質
・緩下
などの効果が期待できる。
薬用
内用
空咳
気管支炎
カタル
胸壁の炎症
関節炎
消化不良
食欲不振
皮膚疾患
腸内寄生虫駆除
(特にサナダムシ)
外用
傷に対しても有効で、発心が出ることがあるが無害である。
栽培と収穫
半日陰で水はけのよい腐植土が豊富な湿った土壌を好む。繁殖は夏の終わりに胞子を撒くか、春に株分けをすることで増やすことが可能。
根茎は秋に掘り上げ、普通性を
・煎じ薬
・成分抽出液
・シロップ
・チンキ
に加工する。