豊富なタンニンを含むのが特徴の‘キジムシロ’。その特徴とはたらきについて解説していきます。
ここではPotentilla electaという品種にスポットをあてていく。
Potentilla electa
基本情報
異名:P.torementilla
英名:Tomentil
blood root
利用部位:根っこ
約500種存在する大きな属で、北半球全体に分布し、ブラッドルートは主に北ヨーロッパ、西アジア、シベリアなどに生息している。
ほとんどの品種は多年草か灌木だが、一年草や二年草なども存在し、多くは荒野や森林地帯にみられる。
園芸用になる品種もあるが、薬用として利用されるのは雑草のような見た目(扱いがひどい)。
属名の語源はラテン語で力強いを意味するPotensに由来し、薬草としての高い効能を示唆していることに因んでいる。
ブラッドルートの
見た目
太い木の根のような根茎で、その名前の通り根っこの中心が赤いのが大きな特徴。
茎は細く枝分かれし、根っこから出てくる3つに分かれた根出葉と、茎から出る5つに分かれた茎葉がある。
初夏に黄色い小さな花を咲かせ、花弁は4枚である。
薬用
苦みのある収斂、冷却性のハーブで止血、消炎、治癒促進作用がある。
内服
下痢
腸炎
胃炎
憩室炎
クローン病
消化性胃潰瘍
潰瘍性大腸炎
粘液分泌性腸炎
外用
切傷
火傷
凍傷
内痔核
口内潰瘍
帯状疱疹
のどの痛み
膣のおりもの
強力なタンニンを含んでいるため、局所的に使うと傷になることがあるので注意が必要。
栽培&収穫
栽培品種で寒さに耐性がある。日向か半日陰になる酸性の湿った土壌か、乾燥した土地を好む。繁殖ははるか秋に種をまけばOK。
根は秋か春に掘り上げて、乾燥させたものを成分抽出液や粉末、チンキに加工することが可能。
著者:白鴉 マキト