今回は、過去に書いたミントの記事のリメイク版です。
目次
主成分
カルボンは柔らかな香りのするスペアミントの主成分、メントールは爽やかな香りのするペパーミントの主成分です。
カルボン
カルボンはモノテルペン系炭化水素の一種で、抗腫瘍作用や対抗ウィルス作用などがありますが、ハーブ療法士の間ではうっ滞除去作用。簡単にいえば溜まった水分を取り除くために使われることが多いようです。
メントール
アルコールに分類され、心地よい香りや治療的作用の多い成分が多いことから、別名「優しい分子集団」と言われています。作用としては抗菌作用や痙攣を抑える鎮痙作用などが挙げられます。
特徴
どちらのミントも高さ50~80cmほどまで成長し、清涼感のある香りがするのが特徴です。また、葉には鋸のようなギザギザな縁と角張った茎があります。
各種利用法
利用部位:地上部
料理
くせの強い肉料理や内蔵料理などの臭み消しに利用できるほか、お菓子などの飾り付け、飲料の香り付け、食品のフレーバーなど、扱い方は多岐にわたります。また、エスニック料理には欠かせないハーブでもあります。
ハーブティーではメジャーなため、シングルで飲んで良し、他のミントとブレンドして良し、飲みにくいハーブと合わせて飲みやすくしてくれるなど、扱いが非常に楽なハーブです。
イスラム教徒のアラブ人たちは特に親しんでおり、アラブ諸国では現在でも街のいたる所にミントが植えられ、ハーブティーとして飲まれています。
スペアミント
甘さのある柔らかな香りのため、サラダやちらし寿司に加えると良いアクセントとなります。
ペパーミント
スッキリとした香りで、主に使われるのはジンやモヒートといったカクテルに欠かせないハーブとなっています。
薬用
ハーブティーとして飲めば、夏は体を冷やし、冬は体を温める働きがあります。さらに、蒸気吸入をすることによって鼻づまりを解消するのにも効果的です。
また、食べ過ぎや飲み過ぎといった後に飲むと、気分がスッキリするので食後などのあとに飲むのおすすめです。
実用
乾燥させてポプリやサシェにすることが可能です。
栽培
非常に繁殖力が旺盛なため、初心者の方でも簡単に育てることが可能です。高さが10cmを越えたら利用が可能で、先端を切っても腋からどんどん生えてきます。
ただしミント同士は交雑しやすいため、近くにミントを植えると性質が混ざってしまうので、1種類のみを植えるようにしましょう。
庭に植えると侵食して大惨事になってしまうので、ポットで植えることを推奨します。
歴史
ミントの歴史は古く、古代ギリシャ時代までさかのぼります。当時の使われ方は現代とあまり変わらず、強壮剤や香辛料、お風呂に入れて入浴剤として利用していました。また、当時はその香りが知識欲を刺激すると信じられていました。
その後ローマ時代の兵士たちによって世界各地に伝播し、9世紀頃にはヨーロッパの修道院で栽培されるようになったとされています。
中国では唐の時代には伝えられ、7世紀頃には既に薬として使われていることが記録に残っています。
ユダヤでは教会の床にミントを敷き、香りを漂わせるストローイングハーブとしても利用していましたが、ギリシャ時代にも同様に使っていたとされています。
日本に入って来たのは江戸時代とされ、貝原益軒の書いた大和本草には、和名であるハッカの記述が残っています。
ミントの学名はMentha offichinaris(メンター・オフィキナリス)といい、ギリシャ神話に登場する妖精の名前、「メンター」が語源となっています。
メンターは冥界の神、ハデスの寵愛を受けていましたがそれに嫉妬した妻、ペルセポネの怒りを買って草に変えられ踏みにじられてしまいます。それを哀れんだハデスが良い香りをするようにしたのが、現在のミントだと言われています。
ちなみに、offichinalisは薬用の、薬になるという意味のラテン語です。学名ではよく出てくる名前なので、覚えておくといいかも知れませんね。
代表的な品種群
ミントといっても様々な品種があり、ここでは比較的メジャーなミントをご紹介。
アップルミント
葉をこするとりんごのような香りがすることからこの名前が付きました。また、その丸い葉の形から和名で「マルバハッカ」、表面が毛が覆われているため英名で「ウーリーミント」と呼ばれます。
パイナップルミント
葉をこするとパイナップルのような香りのするのに加え、縁がクリーム色の可愛らしい品種です。ガーデンの彩りに好まれます。
ペニーロイヤルミント
古くから犬や猫のノミよけ用の防虫ハーブとして知られ、乾燥させた葉を包んだ首輪などが有名です。このハーブは妊娠中に内服してしまうと流産の恐れがあるので、扱いには十分に気をつけましょう。
あとがき
今回は過去に書いた記事のリメイク第一弾として、ミントについての解説を改めて記事にしました。
過去記事を見て、手直しするよりも新たに書いたほうが早いと判断し、このような形を取らせていただきました。今回のように過去記事のリメイクをすることがありますので、見てくださる方はご了承願います。
今回の記事はここまでです。また次回の記事でお会いしましょう。