今回紹介するハーブは、西洋料理に欠かせないアルモラキア。所謂西洋ワサビについて解説します。
目次
Almoracia rusticana
読み方:アルモラキア・ルストカニア
特徴
西アジアが原産の直根性の多年草で、主にヨーロッパやシベリアなどで見られます。太く枝分かれした主根と鮮やかな緑色をの葉、白い花を初夏に咲かせます。大きな特徴としてはすりおろした時に香るあの刺激的な香りです。
各種利用法
料理
生の若葉は穏やかな香りがし、サラダやサンドイッチ、特にサバの燻製と相性が良いです。根は日本の本わさび同様にそのまますりおろして使うか、りんごと共にすりおろして魚料理の香辛料とするほか、酢とクリームを合わせてローストビーフ、コールドチキン、ゆで卵に添えるのもおすすめです。
薬用
強く舌を刺激するハーブです。細菌感染の抑制、発汗促進による解熱、利尿作用に加えて組織を刺激して抹消の血行を良くする働きがあります。
内服薬として虚弱体質、関節炎、痛風、坐骨神経痛、泌尿器の感染症、悪寒を伴う発熱に利用でき、外用では化膿した傷、関節炎および心膜炎に湿布すると良いです。
過剰摂取をすると嘔吐を引き起こし、あらゆるアレルギー反応を引き起こすほか、胃潰瘍、甲状腺患者に処方するのは禁忌です。
栽培
日向、半日陰で水捌けの良い肥沃な土地を好みます。繁殖には早春及び夏に株分けで増やすか、春に同じところにまき、30cm間隔で間引きましょう。また、地中に根の一欠片があるとそこから新しく芽を出すほど繁殖力が強いです。
収穫は春に適宜葉を摘み、秋になったら根を掘り上げましょう。薬用にする場合は湿布、シロップに使用し、また、酢と蜂蜜に漬け込むことで成分浸出液を作ることが可能です。保存は濡れた砂に埋めておけば長持ちします。
歴史
植物学者のジョンジェラードは自身の著書の中で「我々が肉にマスタードをつけるように、ドイツ人は少量の酢にホースラディッシュを魚料理のソースとしている」と書き残しており、17世紀なかばに入るとイギリスもフランスもホースラディッシュの味を知り、今日では世界中に広がりました。
まとめ
今回はアルモラキアについて解説をしました。
ホースラディッシュとリンゴを合わせるという中々に思い切ったソースは魚料理に合うそうですので、自分でも試してみたいと思いました。