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ハーブ解説 Part151

今回は、イタリア料理で酸味を追加するのに使われるケッパーをご紹介。

Capparis

ケパリスと読む常緑の灌木で、約250種が熱帯と亜熱帯に分布しています。俗称は繰り返しになりますがケッパーで、地中海沿岸の温暖な地域では観賞用として植えられています。

学名の語源はギリシャ語のkapparisで、さらに遡るとペルシャ語の「kabar(ケーパー)」に由来します。

Caparis spinosa

匍匐性の灌木で、長さ1.5mの茎が這い、卵型の葉の付け根には1対の棘があるのが特徴です。初夏~初秋まで4枚の花びらと長いピンクの雄しべの、白からピンクの単性花が咲きます。

 

1885年に出版された『図解・写真入り園芸辞典(著 G・ニコルソン編)』では、「英国南郡では完全耐寒性の・・・素晴らしい温室灌木である。」と評されていましたが、今日では見かけなくなりました。

各種利用法

利用部位:根の皮・花の蕾

料理

酢漬けや塩漬けにした蕾は、ラム料理のケイパーソース、タルタル、ラヴィゴット、レムラードソースや魚料理、オードブルに使われます。

また、代用としてナスタチウムの熟していない種子を酢漬けにすると、カプリン酸の働きで同じような風味が出せるため、代用が利きます。

薬用

収斂、利尿、去痰性のハーブで、興奮性の強壮剤とされています。

内服では根の皮が胃腸炎、下痢、痛風、リューマチ、蕾は咳に効果が期待できる。

また外用では、蕾が目の感染症に使われることがあります。

栽培

園芸品種で耐霜性があります。日向の水捌けの良い砂質の土壌を好み、繁殖は夏の気温が19~24℃頃挿し木で増やすことが可能です。

歴史

ケイパーの酢漬けは、西ヨーロッパで2000年以上使われてきた伝統のある食材です。ケイパーには野生種と栽培種の2種類がありますが、栽培されたものは野生種に比べ、野性味にかける味のようです。

あとがき

ケッパーについて解説しました。遠い原産地からあらゆるところに勢力を伸ばし、繁殖していったという点では尊敬に値します。

環境に順応する。これこそが生き残る上で欠かせない戦略なのかもしれませんね

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