今回解説するのは、大西洋沿岸では食用や薬用に利用されているchondrusという海藻です。
目次
Chondrus cripus
読み方:コンドゥルス・クリプス
この品種を含み15種ほど存在する品種で、大西洋やイギリス海峡、北海沿岸地域に自生しています。赤紫色から緑色をした海藻で、軟骨のような見た目をしており、大きさは高さと広がり共に7~15cmと小型ですが大きさは様々でありながら、円盤状の付着根を持ち細い根本から広がるように生えるのが特徴です。
収穫のときにはこの付着根を傷つけないようにボートの上から熊手で絡め取って取ったり、素手で取ることもあります。また、数種は天然物が採取され、様々な業種に用いられており、特に高分子なものは食品加工業で利用されています。
各種利用法
薬用
粘液質で苦味と甘味を併せ持つハーブで、組織の慰撫やなんか、緩下、去痰作用があり、乾咳や喉の痛み、膀胱炎、胃炎、消化不良、胸焼けに内服されます。また外用では肌のひび割れや皮膚炎用のクリーム、ローションに利用されます。
ゲル形態になる多糖類の一種で、消化管内で吸収されることなく腸を通り抜けるため無害ではありますが、発がん性や潰瘍性大腸炎を引き起こすという指摘がされています。
ブレンドの一例
- 気管支炎=カシア
- 消化不良=マシュマロウ
実用
安定剤として食品加工業界で重要な位置を占めるハーブという一面もあります。乳製品、デザート、サラダドレッシング、ソース。また肝油や歯磨き粉のなどの医薬品にも添加されています。
栽培
野生種で浅い海中や潮溜まりなどの岩にくっついています。再生するために収穫時には傷つけないようにします。秋には刈り取り、乾燥させたものから多糖類を抽出します。
あとがき
今回はコンドゥルスというハーブについて解説しました。
ハーブ=地上のものという固定概念があったため、まさか海藻もハーブになってしまうとはまさに目からウロコでした。さらに食品添加物として重要であり、もしかして普段から知らないうちに口にしていたという事に気づき、やっぱりハーブは知れば知るほど知らないことがたくさん出てくるため面白いと感じ、これだからハーブを調べるのはやめられないんですよね。
私はこのような熱中できるものが見つかりましたが、少しでも多くの人が夢中になれるものをみつけられればいいなと思いました。
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今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。
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・ハーブの歴史百科 原書房 キャロライン・ホームズ
・ハーブの歴史 原書房 ゲイリー・アレン
・ハーバリストのための薬用科学 フレグランス・ジャーナル社 アンドリュー・ペンゲリー
・ハーブティー辞典 池田書店 佐々木薫
・ハーブ大全 小学館 リチャードメイビー
・ハーブ大百科 デニ・バウン 誠文堂新光社