今回はカモミールの仲間、ローマン種について解説していきます。
学名:Chamamelum Nobile
読み方:カマメラム・ノビレ
Chamamelum
「踏むとリンゴの香りがする」という意味の古代ギリシャ語に由来します。
Nobile
高貴な、気品のあるという意味です。
特徴
ジャーマンカモミールと違い、花だけでなく、葉にも香りがあります。
高さ20~50cmまで成長します。
地面を這うように成長し、ジャーマンカモミールが春先に花をつけるのに対し、こちらは初夏に花を咲かせるのです。
歴史
1300年代のイングランドの王、エドワード2世の衣服経費の中にカモミールが防虫剤として記されていました。
イギリス最初の植物学者「ウィル・ターナー」は自身の本蔵書を、エリザベス1世に献呈した。
そして自身の著書で、古代エジプト人が聖なる花として信仰され、万能薬として使われていたことにも触れています。
日本には1818年、幕府がオランダから取り寄せた60種のハーブの中に含まれ、当時はカミルレと呼ばれていました。
各種利用法
料理
料理にはあまり使われませんが、リキュールのフレバーとして使われ、ベネディクティン酒やマンザニラ酒などに使われます。
健康
ジャーマンカモミールと同様、ティーを飲むと気分が落ち着き、落ち着いた眠りを手助けします。
肌を整える働きも期待でき、化粧水として利用することが可能です。
- ジャーマン種と違い、苦みが出るため、70度くらいのお湯で淹れましょう。
- キク科アレルギーの人は使用禁止です。
- 乳幼児には精油を使わないようにしましょう。
栽培
日当たりと水はけの良い土を好みま、ガーデニングでは地面を隠すグラウンドハーブとしても利用可能です。
あとがき
今回はもう一つのカモミールについて、解説をさせていただきました。
同じような名前でも、ここまで用途が違う・・・でもそこがハーブの面白さだと私は思います。ブレンドもそれこそ無限にあり、あなただけのオリジナルブレンドを作ってみてはいかがでしょうか?
参考文献
- ハーブのすべてが分かる辞典 ジャパンハーブソサエティー ナツメ社
- ハーブティー辞典 佐々木薫 池田書店
- ハーバリストのための薬用科学 アンドリュー・ペンゲリー フレグランス・ジャーナル社
- ハーブの歴史百科 キャロライン・ホームズ 原書房
- ハーブの歴史 ゲイリー・アレン 原書房
- ハーブと精油の基本事典 林真一郎 池田書店
- 英国流メディカルハーブ リエコ・大島・バークレー 説話社
著:白鴉マキト