今回は、食虫植物の中ではメジャーな部類のモウセンゴケについて掘り下げていきます。
目次
Drosera virginiha
読み方:ドゥロセラ・ウィルギニハ
常緑の多年草で約100種がこの多様な属にあり世界中に分布しています。今回ここで取り上げるDroseva virginiha(モウセンゴケ)は赤みがかった緑色の葉に粘着性のある消化酵素を含む粘液を分泌し、これを使って昆虫を捕らえます。殆どが多年草ですが中には一年草も存在します。夏に5枚の白い花弁がついた花を咲かせます。
温帯のヨーロッパや北米の湿地に見られ、多くのモウセンゴケは食虫植物収集家によって集められており、一般的な品種は鉢植えとして売られています。
学名の語源はギリシャ語で「露」を意味するdrososに由来し、葉先にあるネバネバした粘液に因んでいるようです。
各種利用法
薬用
アクのある加温作用と鎮痛作用を併せ持つハーブです。主な作用として利尿、去痰、鎮痙、鎮咳作用に加え、この植物に含まれる色素は広い範囲の病原体に有効とされています。
対応する症状は喘息、百日咳、気管支炎などの呼吸器系の症状や、胃炎、胃潰瘍などの消化器系、インフルエンザなどに内服します。ホメオパシー療法では百日咳、カラ咳、喉の痛み、咽頭炎に用いるようです。
栽培
園芸用品種で耐寒性があります。日当たりの良い湿ったピート質の土壌を好み、繁殖は夏に基部付きのものを葉刺しします。花が咲き始めたら全体を刈り取り、乾燥させたものを成分抽出液液や成分浸出液に加工します。
歴史
マルバモウセンゴケは薬用に使われた長い歴史があり、ウィリアム・ターナーも‘我々イギリス人は今日これを大変信頼しており、肺病、卒倒、心臓の弱りの為に常備している’と著書の「新本草」(1551〜68)に記しています。
Rosa solisというサンデーリキュールは強壮、催婬効果があるとしてイギリス、フランス、ドイツで17世紀に流行したという歴史があります。
あとがき
今回はモウセンゴケについて解説をしました。
食虫植物であることは知っていましたがハーブになるとは思わず、どんな植物にも優れた作用を秘めているということが分かり、ハーブの世界は本当に面白いと思ったと同時に、私の知識及び技術不足のせいでハーブの魅力を伝えきれていないというのを感じ、これからもさらに精進していきたいという思いが強まりました。
モウセンゴケにはいくつか花言葉があり、「あなたに捧げる恋の歌」、「セレナーデ」というロマンチックなものもあります。
しかし「詐欺」、「不神経」、「不誠実」、「欺く」などマイナスな意味なものが多く、これはこの植物が食虫植物で昆虫を騙して絡めとるという特性に由来しているのかもしれませんね。
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今日まで書き続けることができたのは読んでくださっている人のおかげです。本当にありがとうございます。拙い記事ではありますがこれからも書き続けていこうと思うので、どうか応援して下さると大変嬉しく思います。
今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。
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・ハーブの歴史百科 原書房 キャロライン・ホームズ
・ハーブの歴史 原書房 ゲイリー・アレン
・ハーバリストのための薬用科学 フレグランス・ジャーナル社 アンドリュー・ペンゲリー
・ハーブティー辞典 池田書店 佐々木薫
・ハーブ大全 小学館 リチャードメイビー
・ハーブ大百科 デニ・バウン 誠文堂新光社
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