今回はオーストラリアなどに自生するDuboisia myoporoides(コークウッド)という木について解説していきたいと思います。
目次
Duboisia myoporoides
柔らかいスプーン状の葉をつける小木または高い灌木の一種で、冬の終わりから春にかけて小さく白い、淡いラベンダー色をした花を咲かせます。その後種子が6~12個ある多汁質のブラックベリーを結びます。
主にオーストラリアやニュージーランドに小木と低木3種が分布しており、クイーンズランド、ニューサウスウェールズ、ニューカレドニアやニューギニアなどの森林地帯の空き地、熱帯雨林の縁や海岸の砂丘などで見かけることが出来ます。
この品種と近縁に当たるD.leichiarditiiは薬品製造に必要なトロパンアルカロイドを含んでおり、ほかにもアトロペンやヒヨスチン、ヒヨスアミン、スコポラピンといったアルカロイドも保有しており、これはベラドンナやヒヨスといったナス科植物にも内包しています。また、この品種とD.leichiarditiiの雑種はすべてのアルカロイドを3%以上含有しているようです。
学名の由来はチャールズ・デュ・ボアという人物に因んで命名され、彼は東インド貿易会社の出納係だった人物で、膨大な植物標本を編纂したという実績もあります。
各種利用法
利用部位:葉
薬用
苦味のある催眠性のハーブで瞳孔拡散作用、呼吸促進作用や鎮静作用があり、同種療法では目の疾患に利用されています。様々なアルカロイドを含んでいるため有毒です。なので有資格者のみが扱いましょう。
栽培
栽培品種で耐寒性があり、日当たりの良い砂質の土壌で高湿度の環境を好みます。最低気温は15~18℃を維持し、繁殖は種子が熟したらまきましょう。手入れは大きさを一定に調節するために定期的に刈り込みます。収穫は花が咲いている間に葉を摘み取り、乾燥させたものを加工します。
あとがき
今回はコークウッドと呼ばれる木について掘り下げてみました。
現在でも薬の原料となるのは一般的に毒草と言われるもので、それを薬に変えるのは素晴らしいことですが、世の中善人ばかりでなく悪巧みをして悪用するような輩もいるという、ある意味人間らしいということを感じました。植物そのものには善悪はなく使い手である人によって分かれることから、私はここで得た知識を多くの人に役立てたいという気持ちがより強くなりました。
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今回の記事はここまでとなります。また次回の記事でお会いしましょう。
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