今回は爽やかな柑橘系の香りのするハーブ、レモンバームについて解説します。
レモンバーム 特徴
Merissa officinalis
爽やかなレモンの香りがするミントの一種で、メリッサという別名のほか、蜂を引き寄せるため、ビーバームという名前もあります。
Merissaはミツバチという意味のラテン語の説と、古代ギリシャ神話に登場するクレタ王の娘、メリッセウスが語源とされるなど諸説あります。
offichinalisは薬用のという意味です。
レモンバームの主成分
シトロネラール・ゲラニアール
オレンジやレモンなどの柑橘系の果実を思わせる香りの元で、多くのハーブに含まれているのです。作用としては、気分を落ち着かせる鎮静作用、お腹の張りを軽減する駆風作用などが挙げられます。
レモンバーム各種利用法
Merissa officinalis
料理
お菓子の飾り付けや冷たいお菓子に利用できます。
栽培
化粧品を作るときにこの精油を使う場合は、刺激が強い場合があるので、敏感肌の人は注意しましょう。
歴史
約2000年前の古代ギリシャ時代からこのハーブを密源植物として栽培し、蜂を育てていました。
当時は甘味料が蜂蜜のみで、特にメリッサから作られたはちみつはおいしかったようです。
また、当時の植物学者「ディオス・コリデス」の「薬物誌」には、薬用植物として記載されています。
中世ヨーロッパの時代、スイスの医師で錬金術師である「パラケルスス」は若返りの薬、不老不死の霊薬と呼んでいました。
17世紀、カルメル修道院は、メリッサをベースに数種類のハーブを加えたリキュール「カルメルのメリッサ水」を作り、広く知れ渡るようになりました。
あとがき
今回はメリッサ、もといレモンバームについて解説しました。
日々のストレスにさらされている多くの人に、レモンバームを育てることに挑戦してみてほしいです。
緑があるというだけでも癒しになり、手でこすると良い香りがして心地よく、さらに飲んでも美味しく、お菓子作りに利用できるとまさにいい事ずくめです。
先程書きましたが、初心者にも優しい育てやすいハーブなので、ホームセンターなどで見かけたら育ててみてはいかがでしょうか?
- ハーブのすべてが分かる辞典 ジャパンハーブソサエティー ナツメ社
- ハーブティー辞典 佐々木薫 池田書店
- ハーバリストのための薬用科学 アンドリュー・ペンゲリー フレグランス・ジャーナル社
- ハーブの歴史百科 キャロライン・ホームズ 原書房
- ハーブの歴史 ゲイリー・アレン 原書房
- ハーブと精油の基本事典 林真一郎 池田書店
- 英国流メディカルハーブ リエコ・大島・バークレー 説話社
著:白鴉マキト