今回解説するのはカバノキ科のBetula pendulaとBetula pubescensの2種類でどちらもシラカバと呼ばれる広葉樹です。
Betula pendulaとは?
北ヨーロッパが原産の白い樹皮を持つ落葉樹で秋に黄色くなります。ハーブとして利用されるのは葉のみ。
こちらの和名はオウシュウシラカンバ、英語ではSilver birch,weeping berchと呼称されています。
Betula pendula
伝統的な利用法
リウマチの諸症状と痛風に用いられ、抜け毛やフケの治療薬としても利用されていました。
「スプリングキュア」として血液を浄化すると信じられ、葉の抽出物には利尿作用があると言われていた。
そのためハーブ療法では尿路感染症と尿路の炎症の治療に用いられてきた歴史があります。
Betula pendula
科学的な評価
科学的な研究により、抗菌効果と利尿効果の可能性が示される。
抗癌作用と抗炎症作用についても研究が進められており、関節炎に対しての利用も関心が持たれています。
Betula pubescensとは?
先ほどの品種とは原産が異なりこちらはユーラシアが原産。後に北アメリカで導入された広葉樹で粘土や泥炭など湿った土壌に適応した品種です。
ハーブとして利用されるのは樹皮、葉、樹液。
樹皮は鈍い灰色がかった白色で葉が展開する前に風で花粉を飛ばす風媒花を尾のような形の尾状花序につけます。
こちらは和名だとヨーロッパダケカンバ、英名ではDowny birch,White birchと呼ばれます。
Betula pubescens
伝統的な利用法
樹液はリウマチの治療薬に用い、樹皮は湿疹に対して使われていました。
Betula pubescens
科学的な評価
葉にはヒペロシドという化合物が含まれ、基礎研究によりこの物質が尿生成を調整することが示されました。
しかし治験では尿生成の統計的な有意な増加は見られなかった模様。