ボタンをハーブの視点で解説しますが、いくつか品種がありますのでそれぞれ分けてご紹介。今回はPaeonia officinalisという品種を取り上げます。
オランダシャクヤク
Paeonia officinali
この品種の俗称は“オランダシャクヤク”。16世紀からヨーロッパで長い間薬用に用いられていましたが、現在は使われていません。
ニコラス・カルペパーは2種類の変種に区別しており、一つは赤紫色の花に切れ込みの少ない葉を持つ品種で黒か臙脂色をした種子を結ぶ「雄ボタン」。
もう一つは暗い紫色の花に黒い実をつける「雌ボタン」。
これらは男女それぞれの疾患に利用されていました。
Paeonia officinalis
各種利用法
利用部位:根
薬効
利尿、鎮静、浄化性のあるハーブで痙攣を鎮める効能がある。さらに子宮を刺激して血管を収縮させる作用もあります。
かつては以下の症状に内服されていましたが、有資格者を持つ専門家のみ扱うこと。
○癇癪
○痙攣
○百日咳
○内痔核
○静脈瘤
○腸管痙攣
○月経困難症
○更年期障害
○腎臓・胆嚢結石
Paeonia officinalis
まとめ
伝統利用されていたボタンの仲間ですが、現在では扱われていないという悲しい事実。次回はシャクナゲについて解説を予定しています。