今回解説するのは、観賞用として人気の高い“ホオズキ”について。
目次
ホオズキ
概要
属
ホオズキ属 ナス科
学名
Physalis alkekengi
英名
Chinese lan-tern
Winter cherry
Bladder cherry
ここではPhysics alkekengiという品種を取り上げます。
見た目の特徴と植生、
分布している地域
根茎性の、直立または放射状に広がる一年草や多年草が約80種が存在。
日本でホオズキと呼ばれる品種は、東南アジアから日本にかけて野生で見ることができ、萼に包まれた液果の中に無数の種子が作られる。
果実を覆う赤い萼の見た目から、観賞用として人気が高く、一年草としても栽培。
“ウィンターチェリー”とも呼ばれているが、同じ俗名で呼ばれるSolanum capicas-trumと混同しないように。
続いて、ホオズキの各種利用法や歴史について掘り下げていきます。
ホオズキ
各種利用法
利用部位
・実
・葉
・実のジュース
苦味と甘味を併せ持ち、
・利尿
・緩下剤
・解熱
・消炎
などの効能が期待できる。
料理
意外にも食用が可能で、萼を取り除いて煮るか、チョコレートをかけて食べるのもよい。見ための良さを生かして、萼を折り返すことで飾りにもなる。
薬用
今日では、あまり薬用として利用されていないが
・間かつ熱
・尿路疾患
・関節炎
・リュウマチ
・痛風
などに実とジュースを内服する。
かつては葉を皮膚の炎症の外用薬に用いていた。
ホメオパシーではリューマチ、黄疸、尿路疾患に使用する。
ディオスコリデスと今
ディオスコリデスによれば、ホオズキの実はかつて癇癪の治療に用いられたそうな。
ヨーロッパでは民間薬として猩紅熱対し実を、貧血、マラリアに対しては葉を使用した。
残念なことに、ナス科で興味深い成分があるにも関わらず、今日ではほとんど薬用に利用されていない。
実も食用になるが、ケイプ・グースベリーよりも劣っているという、なんとも時代に取り残されたハーブとも言える。
栽培と収穫の
方法
栽培
日向で水はけの良い土地を好む。寒さにも耐性があるので寒冷地でも栽培が可能。
繁殖は春に種をまくか、株分けで増やす。
収穫
実は熟したら集め、生かジュースを使用するか乾燥させる。葉は夏に摘み取り、生で使用するか湿布薬に。
薬用で使う場合は、萼を取り除く。