Part441~Part453

ハーブ解説 Part447 ピソティグマ

今回解説するのはマメ科のハーブ、“カラバール・ビーン”。ある儀式に使われていたため、悪名が高まった危険な植物です。

カラバールビーン
とは?

結論から言うと、ナイジェリアのカラバール州で“毒の審判”と呼ばれる儀式にこの植物が使われました。

被告人はこの植物の液を飲まされ、生きていれば無罪、有罪なら死。という内容です。

この儀式で助かったのは、一気に飲み干して嘔吐することで、素早く毒を吐き出したためと言われています。

逆に死んでしまったのは、恐る恐る飲んで多くの毒を吸収したためだと言われている。

次に、カラバールビーンの重要な成分について、解説していきます。

カラバールビーン
重要な成分とは?

結論を言います。

カラバールビーンには、アルカロイドの一種で、副交感神経に作用するフィゾスチグミンと呼ばれる成分が含まれるのです。

これは眼圧を下げる点眼液として利用されるほか、ベラドンナに含まれるアトロピンの解毒剤にもなります。

興味深いことに、カラバリンというアルカロイドには逆の効能があるという、同じ植物で真逆の効能が一つにまとまっているのです。

続いてカラバールビーンそのものについて掘り下げていきます。

カラバールビーン
生態と特徴

西アフリカ産で、よじ登るタイプの常緑樹。15mまで成長し、3つに分かれた葉は16cm、幅は10cm。

春にピンク色の花がフサ状に咲く。後に16cmの鞘ができ、焦げ茶の種子が入っている。

麻酔性があり、中枢神経機能の低下や副交感神経を迷わせる効果があり、
・瞳孔の収縮
・血圧の上昇
・腸の蠕動を促進
などの作用がある。

カラバールビーン
利用法

利用部位:外皮を取り除いた種子

薬用

フィゾスチグミンとして神経筋疾患(特に重症筋無力症)、術後の便秘に内服。外用薬として緑内障の点眼液に使用される。

かつては破傷風、癇癪、リューマチの治療に用いられていた。

過剰摂取は筋力の低下、呼吸困難、心臓停止を引き起こす。

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Kemu
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