今回解説するのは、中国の香炉“博山炉”について。
目次
博山炉とは?
簡単に言うと、中国の理想郷を模した香炉のこと。
そもそも博山は蓬来山を指し、中国の神仙思想である道教では、中国東海の果てにあると言われている。
当時は、中国古来の不老不死の神仙思想と仏教が融合して受け入れられていて、この航路もその時代背景から生まれたと考えられる。
余談だが、中国皇帝で初めて仏教を信奉したのは、後漢の桓帝。
博山炉の
ビジュアル
当時の神仙思想に基づいて、中央には円錐形の蓋がついた火炉を蓬来山に見立てていた。
下の方には湯を注いで海中に浮かぶ蓬莱山を表現すると同時に、湯の湿気によって香の働きを強めていると言われている。
さらに下のお盆と火炉は、二匹の龍が絡み合って柱となっている。
これは龍脈がイメージされ、気の流れや水脈、を象徴していると言われている。
浦島太郎伝説
海中の天国と言われていた蓬来山は、日本と海上の彼方に想定され、それが浦島太郎伝説のもととなったと言われている。