今回はタイショウガやガランガルと呼ばれるショウガ科のハーブ、良姜について解説。
目次
良姜
基本情報
目:ショウガ目
科:ショウガ科
属:ハナミョウガ属
産地:ベトナム、中国
中国やベトナムで見られるショウガ科の常緑多年草。別名「高良姜」。
ジンジャーとブラックペッパーを合わせたような香りで、爽やかな香りと強い辛味が特徴で、タイやインドネシアのカレーには欠かせないスパイスの一つ。
良姜の
見た目と生態
葉は2列互生の披針形で、長さは15-30cm。高さは1.5m-3mまで成長し、茎は直立。
4-10月、頂点に白色ないしピンク色の花を咲かせ、縁は赤い文様がある。
果実は球状で、直径1cm。熟すと赤くなる。根茎は分岐して輪っかのような節がある。
生薬名
“良姜(りょうきょう)”
生薬として利用されるのはAlpinia officinarum Hanceという品種。特徴としては堅く、特異な芳香、極めて辛いの3つ。
肉厚で繊維が少ない詰まっている物が良いとされる。外見は赤褐色~暗褐色。細かい縦じわと灰白色の輪節がある。
主要成分:シネオール
精油
シネオール
ピネン
オイゲノール
辛味成分
ガランゴール
フラボノイド
ガランギン
ケンフェロール
ケンフェリド
主な薬効
プロスタグランジン生合成阻害
キサンチンオキシダーゼ阻害
芳香性健胃
抗腫瘍
鎮痛
漢方処方
安中散
漢方では芳香性健胃薬として用いられ、『名医別録』の中品に収載。胃痛、嘔吐、下痢、消化不良、歯痛などに使用される。
日本で漢方処方されるのは稀で、主に酒類の芳香付、口内清涼剤のフレーバーに利用される。
基本ショウガと効能は似ているため、同じような使い方ができる。
学名の由来
ハナミョウガ属のAlpiniaはイタリアの医師でパドヴァ大学の植物学教授であるアルピーに博士にちなむ。
彼は主にエジプト植物に関する書物を執筆し、熱帯植物の研究を行っていた。